もうかなり有名になっていますが、ここでも取り上げてみます。
http://www.youtube.com/user/cookingwithdog
女性のシェフが作る日本料理(どちらかというと高級料理ではなく普通の日本人家庭で食べるような料理が多い)を犬(Francisという名前になっている)が紹介するという形のビデオです。3週間ぐらいに一つずつ作られるようです。
しゃべっているのはもちろん人間ですが(笑)、聞いてすぐ分かる通り日本語訛りばりばり(あるコメントには日本人がフランスで英語を学んだようだと書いてありました(笑))です。また、表現もときどきあれと思うようなものも混じっています(最近のものはネイティブスピーカーのチェックを受けているようで、自然な表現になってきてます)。youtubeのコメント欄を見ると、訛りやおかしな表現をからかうようなのもありますが、それよりは称賛の方が圧倒的です。
毎日の食生活のような身近かつイデオシンクラティックなことは異なる文化、異なる言語の人に説明するのは結構難しいものです。このビデオは楽しんで見られるという点でとてもよくできています。コメント欄が賑わっているのもうなずけます。きちんとした技術や考え方のベースがあれば、少々の話し方の難点などはカバーできるというよい例だと思います。
日本のお弁当を紹介したもの http://www.youtube.com/watch?v=-_hbPLsZvvo&feature=channel_video_title を見ると弁当がどんなものかだけでなく、日本人が子供の弁当にかける情熱も伝わってきます。コメント欄を見ても称賛、驚嘆の声があふれています。人に心が伝わるというのはこういうことです。bento boxについてのありふれた、おざなりの説明(いくらネイティブスピーカーの真似をしたって)をするだけでは人の心は動かせないのです。
2011年06月04日
2011年04月25日
Herd on the street
前にも紹介している英Economist紙に面白い記事がありました。
The foolishness of crowds
http://www.economist.com/node/18529721?story_id=18529721
記事の内容もなかなか面白いのですが、記事にあるグラフのタイトルが気に入りました。このブログ記事のタイトルの "Herd on the street" がそれです。
群集心理についての記事ですからこのタイトルも合っている、とだけ思うと実はもう少し奥が深いんです。実はこれは米Wall Street Journalにある "Heard on the street" という有名なコラムのもじりなのです。発音だけだったら同じですね。
Heard on the streetはまだあまり知られていない、時には確認できないような情報や噂に近いものを載せるものです。このため相場に大きな影響を与えることもよくあり、過去にはインサイダー取引問題を起こしたこともあるくらいです。
街での噂が経済を動かすということから、Economistの記事の内容にもぴったり合うわけです。それと同時に、大西洋をはさんだライバル紙を少し揶揄している感じも見てとれます。
こうした言葉の遊びはかなり高度なもので、言葉の知識だけでなく、背景知識(この場合でいえば新聞の内容)についても理解ができていないと分かりません。
言葉を学ぶ醍醐味はこんなところにもあるのだと私は思います。
The foolishness of crowds
http://www.economist.com/node/18529721?story_id=18529721
記事の内容もなかなか面白いのですが、記事にあるグラフのタイトルが気に入りました。このブログ記事のタイトルの "Herd on the street" がそれです。
群集心理についての記事ですからこのタイトルも合っている、とだけ思うと実はもう少し奥が深いんです。実はこれは米Wall Street Journalにある "Heard on the street" という有名なコラムのもじりなのです。発音だけだったら同じですね。
Heard on the streetはまだあまり知られていない、時には確認できないような情報や噂に近いものを載せるものです。このため相場に大きな影響を与えることもよくあり、過去にはインサイダー取引問題を起こしたこともあるくらいです。
街での噂が経済を動かすということから、Economistの記事の内容にもぴったり合うわけです。それと同時に、大西洋をはさんだライバル紙を少し揶揄している感じも見てとれます。
こうした言葉の遊びはかなり高度なもので、言葉の知識だけでなく、背景知識(この場合でいえば新聞の内容)についても理解ができていないと分かりません。
言葉を学ぶ醍醐味はこんなところにもあるのだと私は思います。
2011年04月18日
thの音
前にも紹介したEconomist紙のブログJohnsonに面白い記事がありました。
http://www.economist.com/blogs/johnson/2011/04/consonants
英語のつづりthで書かれる音は音声学的ではdental fricatives(歯摩擦音)と言われますが、世界の言葉の中でこの音を持つものはそう多くはないようです。英語でも方言によっては別の音に変わってしまうこともあるということです。
面白いのはある研究者が、血液型O型の多い地域はこの音を持つ言語を使うと言っていると紹介していることです。ブログの記事自体にはこの主張の成否は述べていませんが、さすがに同紙の読者によるコメントは厳しく、相関関係と因果関係を混同してはいけないと言っています。さらに面白かったのは、ある読者のコメントではth音を持つ地域は債務問題を抱えている(アイスランド、ギリシャ、アイルランド、スペインなど)と言っている(もちろん冗談です)ことです。まあ、ポルトガル語にはこの音はないようですから、ちょっと違っていますけど。
別にこの記事を知っていたからといって英語がうまくなるというわけでもないですが、同紙の奥深さに感心しました。
http://www.economist.com/blogs/johnson/2011/04/consonants
英語のつづりthで書かれる音は音声学的ではdental fricatives(歯摩擦音)と言われますが、世界の言葉の中でこの音を持つものはそう多くはないようです。英語でも方言によっては別の音に変わってしまうこともあるということです。
面白いのはある研究者が、血液型O型の多い地域はこの音を持つ言語を使うと言っていると紹介していることです。ブログの記事自体にはこの主張の成否は述べていませんが、さすがに同紙の読者によるコメントは厳しく、相関関係と因果関係を混同してはいけないと言っています。さらに面白かったのは、ある読者のコメントではth音を持つ地域は債務問題を抱えている(アイスランド、ギリシャ、アイルランド、スペインなど)と言っている(もちろん冗談です)ことです。まあ、ポルトガル語にはこの音はないようですから、ちょっと違っていますけど。
別にこの記事を知っていたからといって英語がうまくなるというわけでもないですが、同紙の奥深さに感心しました。
2010年11月22日
Lucy Kellaway
Financial Times (FT)紙のマネジメント分野のコラムニストLucy Kellawayのコラムです。
http://www.ft.com/comment/columnists/lucykellaway
FTのポッドキャストについては以前にもこのブログで取り上げました。
このコラムも記事とそれを読み上げたポッドキャストがあります。ただし、ポッドキャストは記事の少し後にアップされるようです。
コラムの内容については、"her weekly Monday column has poked fun at management fads and jargon and celebrated the ups and downs of office life"、つまりマネジメントの流行などをおちょくったものとなっています。
例えば最新のコラムの題名は"Breaking the glass ceiling at home"ということで、少しビジネスに詳しい人ならば職場での男女差別の問題を扱っているなということがすぐに分かります。しかし、このコラムには別の題名がついていて紙面のトップでは"Alpha women need beta husbands"となっています。こうなるとすぐには何の話なのかは分かりにくくなり、同時に読者に「何のことなのだろう」という気持ちを引き起こさせます。言葉の使い方としてはかなり高度なものです。
コラムの文章もかなり凝ったもので、内容を正確に理解するためにはマネジメントの基礎知識や最近流行のバズワードを知っているだけでなく、筆者のレトリックをきちんと読み取ることが必要になります。特に皮肉の使い方など一筋縄ではいかない論理についていくのは大変です。これに比べるとMartin Wolfはマクロ経済学を知っていれば大方は理解できるのでずっと平易と感じられます。
すでに書いた通り、このコラムのポッドキャストもあります。彼女の英語は英国訛り(英国のどの地方かまでは分かりませんが・・・)なので、ブリティッシュ・イングリッシュに興味がある人にはおすすめします。上述の通り、文章を理解するのは難しいですが、発音はわりあいゆっくりで、明瞭な話し方をしています。これを聴いて即座に笑えるようならばかなりの実力があります。
http://www.ft.com/comment/columnists/lucykellaway
FTのポッドキャストについては以前にもこのブログで取り上げました。
このコラムも記事とそれを読み上げたポッドキャストがあります。ただし、ポッドキャストは記事の少し後にアップされるようです。
コラムの内容については、"her weekly Monday column has poked fun at management fads and jargon and celebrated the ups and downs of office life"、つまりマネジメントの流行などをおちょくったものとなっています。
例えば最新のコラムの題名は"Breaking the glass ceiling at home"ということで、少しビジネスに詳しい人ならば職場での男女差別の問題を扱っているなということがすぐに分かります。しかし、このコラムには別の題名がついていて紙面のトップでは"Alpha women need beta husbands"となっています。こうなるとすぐには何の話なのかは分かりにくくなり、同時に読者に「何のことなのだろう」という気持ちを引き起こさせます。言葉の使い方としてはかなり高度なものです。
コラムの文章もかなり凝ったもので、内容を正確に理解するためにはマネジメントの基礎知識や最近流行のバズワードを知っているだけでなく、筆者のレトリックをきちんと読み取ることが必要になります。特に皮肉の使い方など一筋縄ではいかない論理についていくのは大変です。これに比べるとMartin Wolfはマクロ経済学を知っていれば大方は理解できるのでずっと平易と感じられます。
すでに書いた通り、このコラムのポッドキャストもあります。彼女の英語は英国訛り(英国のどの地方かまでは分かりませんが・・・)なので、ブリティッシュ・イングリッシュに興味がある人にはおすすめします。上述の通り、文章を理解するのは難しいですが、発音はわりあいゆっくりで、明瞭な話し方をしています。これを聴いて即座に笑えるようならばかなりの実力があります。
2010年11月04日
外国語「らしい」発音と外国語として「通じる」発音
簡単な文章を外国語らしく発音することができるかどうかを外国語能力の判断材料とする向きがあります。
実は外国語の運用能力がなくても外国語「らしい」あるいは外国語「っぽい」発音をすることはそんなに難しいことではありません。例えば、外国語の歌を歌ったり、歌まねをして、ネイティブスピーカーのように聞こえる発音をすることを得意とする人は多くいます。そのためにはそんなに大変な練習は必要ありません。簡単な挨拶や短い文章程度だったらすぐにできます。ですから、こうした短い文章を何回も練習させて発音させたものを聞いて判断するということに意味はないのです。
つまり、こうした簡単な文章の発音が良いことは外国語のオーラルな運用能力の十分条件ではありません(ただし、多くの場合、必要条件です)。ですから、こうした簡単な文章の発音だけで「免許皆伝」の判断をしているとしたら、それはまったくデタラメと言っていいでしょう。
それなら、実際に「通じる」(つまり役に立つ)外国語の発音ができているかどうかを判断するにはどのような方法があるでしょう。別に私は外国語教育のプロではありませんし、実際に試してみたわけではないですが、おそらく次のような方法が有効なのではないかと思います。
まず最初に学習者の興味や必要性のある分野の1ページ程度の文章を用意します。これを初出で(つまり何回も練習してではなく)音読してもらいます。実際に音読をしたことのある人なら分かりますが、とにかく文章の内容、特に構造が分かっていないとどこに切れ目があるか(これは読む時のポーズに対応します)つかめず、ただ単語をずらずらと並べて発音していくことになってしまいます。このようになると聞いて理解してもらうことは困難です。また、個々の単語の発音やアクセントが分からないと、そこで止まってしまいます。これも理解を大きく妨げます。評価する人はこれを聞いてどこに問題があるかをチェックします。
次に学習者は辞書などを用いて、分からない単語の発音や意味を調べます。こうしたことが自分でできるかどうかも運用能力の一部です。文章の意味が分かり、単語の発音が確認できたところでもう一度音読をします。評価者はこれもチェックします。おそらく前回に比べて大きく改善していることが分かるはずです。
最後に模範的な発音(できればネイティブスピーカーのもの)を何回か聞いたうえで、また音読をします。この最終の仕上げも評価者が聞きます。
外国語のオーラルな運用能力を正確に測ろうとすれば、この程度の手間は必要だということは理解できると思います。さらにこの方法の良いところは、通じる外国語の発音のために何が欠けているのかを特定することが容易になります。例えば、文章の意味の理解はできるのにここの単語の発音が間違って覚えていたとすれば第1段階と第2段階の間で改善ができます。
音素の発音をコンシステントに間違っていたとすれば、第2段階と第3段階の間で改善をすることが期待できます。
問題点が分かれば改善の方法もすぐに見つかります。多くの単語の発音を間違っているとしたらきちんと単語の発音を覚えるしかありません。文章の意味が分からないのだったら文法を手がかりにして文の構造を読み解く訓練をします。こうして効率的な学習をすることができます。
教えるということは「免許皆伝」を出すことが目標ではありません。学習者が自立して学ぶ能力を育てることが大事なのです。「免許皆伝」を頻発するのは詐欺のサインとして気をつけた方が良さそうです。
なお、この方法は国際特許をとるつもりですので真似をしてはいけませんよ(笑)。
実は外国語の運用能力がなくても外国語「らしい」あるいは外国語「っぽい」発音をすることはそんなに難しいことではありません。例えば、外国語の歌を歌ったり、歌まねをして、ネイティブスピーカーのように聞こえる発音をすることを得意とする人は多くいます。そのためにはそんなに大変な練習は必要ありません。簡単な挨拶や短い文章程度だったらすぐにできます。ですから、こうした短い文章を何回も練習させて発音させたものを聞いて判断するということに意味はないのです。
つまり、こうした簡単な文章の発音が良いことは外国語のオーラルな運用能力の十分条件ではありません(ただし、多くの場合、必要条件です)。ですから、こうした簡単な文章の発音だけで「免許皆伝」の判断をしているとしたら、それはまったくデタラメと言っていいでしょう。
それなら、実際に「通じる」(つまり役に立つ)外国語の発音ができているかどうかを判断するにはどのような方法があるでしょう。別に私は外国語教育のプロではありませんし、実際に試してみたわけではないですが、おそらく次のような方法が有効なのではないかと思います。
まず最初に学習者の興味や必要性のある分野の1ページ程度の文章を用意します。これを初出で(つまり何回も練習してではなく)音読してもらいます。実際に音読をしたことのある人なら分かりますが、とにかく文章の内容、特に構造が分かっていないとどこに切れ目があるか(これは読む時のポーズに対応します)つかめず、ただ単語をずらずらと並べて発音していくことになってしまいます。このようになると聞いて理解してもらうことは困難です。また、個々の単語の発音やアクセントが分からないと、そこで止まってしまいます。これも理解を大きく妨げます。評価する人はこれを聞いてどこに問題があるかをチェックします。
次に学習者は辞書などを用いて、分からない単語の発音や意味を調べます。こうしたことが自分でできるかどうかも運用能力の一部です。文章の意味が分かり、単語の発音が確認できたところでもう一度音読をします。評価者はこれもチェックします。おそらく前回に比べて大きく改善していることが分かるはずです。
最後に模範的な発音(できればネイティブスピーカーのもの)を何回か聞いたうえで、また音読をします。この最終の仕上げも評価者が聞きます。
外国語のオーラルな運用能力を正確に測ろうとすれば、この程度の手間は必要だということは理解できると思います。さらにこの方法の良いところは、通じる外国語の発音のために何が欠けているのかを特定することが容易になります。例えば、文章の意味の理解はできるのにここの単語の発音が間違って覚えていたとすれば第1段階と第2段階の間で改善ができます。
音素の発音をコンシステントに間違っていたとすれば、第2段階と第3段階の間で改善をすることが期待できます。
問題点が分かれば改善の方法もすぐに見つかります。多くの単語の発音を間違っているとしたらきちんと単語の発音を覚えるしかありません。文章の意味が分からないのだったら文法を手がかりにして文の構造を読み解く訓練をします。こうして効率的な学習をすることができます。
教えるということは「免許皆伝」を出すことが目標ではありません。学習者が自立して学ぶ能力を育てることが大事なのです。「免許皆伝」を頻発するのは詐欺のサインとして気をつけた方が良さそうです。
なお、この方法は国際特許をとるつもりですので真似をしてはいけませんよ(笑)。
2010年10月11日
ノーベル文学賞
今年のノーベル文学賞はペルーの作家マリオ・バルガス・リョサに決まりました。もう長い間、候補になっているという話で、もう受賞はないのではと言われていただけに意外に感じた人も多いかもしれません。
ペルーの主要紙 El Comercio http://elcomercio.pe/ でも大きく取り上げられています。同紙のウェブサイトは最近模様替えをして、ビジュアルなコンテンツを多く載せています。もちろん、このニュースに関する映像もたくさんあります。
バルガス・リョサのインタビューもいくつかありますが、意外だったのは、彼がかなり饒舌なことでした。話し方も結構早い感じですが、声が大きくて良く聞こえること、話し方がはっきりしていて、聞き取りは割合やさしい方だと感じました。
ペルーのスペイン語は訛りが少ないというのをよく聞きますが、そのような印象も受けました。一度聞いてみると良いでしょう。
ペルーの主要紙 El Comercio http://elcomercio.pe/ でも大きく取り上げられています。同紙のウェブサイトは最近模様替えをして、ビジュアルなコンテンツを多く載せています。もちろん、このニュースに関する映像もたくさんあります。
バルガス・リョサのインタビューもいくつかありますが、意外だったのは、彼がかなり饒舌なことでした。話し方も結構早い感じですが、声が大きくて良く聞こえること、話し方がはっきりしていて、聞き取りは割合やさしい方だと感じました。
ペルーのスペイン語は訛りが少ないというのをよく聞きますが、そのような印象も受けました。一度聞いてみると良いでしょう。
2010年09月30日
イヌでも分かる外国語発音
いや、特にイヌということに意味があるわけじゃありません。
よく「サルでも分かる」という言い方をしますよね。本のシリーズでもありますね。だからサルの天敵のイヌを使った言い方でも良いんじゃないかと思ったのです。あまり聞かないんですが、グーグルで調べたらイヌの方がヒット数は多かったのが意外でした。
でもサルやイヌが外国語発音を分かったってしょうがないですよね。ヒトがサルやイヌと同じなら別ですがね。この程度の理屈が分からないのはサルやイヌに失礼ですね。
よく「サルでも分かる」という言い方をしますよね。本のシリーズでもありますね。だからサルの天敵のイヌを使った言い方でも良いんじゃないかと思ったのです。あまり聞かないんですが、グーグルで調べたらイヌの方がヒット数は多かったのが意外でした。
でもサルやイヌが外国語発音を分かったってしょうがないですよね。ヒトがサルやイヌと同じなら別ですがね。この程度の理屈が分からないのはサルやイヌに失礼ですね。
2010年09月13日
おれは外国語がうまい
いや、今年の夏は暑かったですね。暑いときこそ大仮説の季節です(何それ)。
今回の大仮説は「自分で外国語がうまいと宣伝している奴ほど実は下手くそ」です。え、何、そんなの常識だって?いや、実はそうではないかと薄々思っていたのですが、世の中は広いもんで、そうでもないと言うのもいるようで、なかなか証明に手間取っていたんですよ。
人間はもともと自分は偉いと勘違いしやすいものだそうで、例えば外国語について言えば、他人が話したり書いたりするのを見聞きして「おれの方がうまいな」と思ったときは、実は客観的にはあまりレベルは変わらない、あるいは人の方がうまかったりするそうです。
普通の人間はこのような危ないことがあるのを知っているので滅多に自慢などしないものですが、小学生レベルだったらついついやってしまうようです。
外国語を習っているときは特にほめられたりおだてられたりすることが多いのはすでに述べた通りです。これを真に受けて「自分はうまいんだ」などと思うのは馬鹿ですし、人に吹聴するなどというのは輪をかけて馬鹿としか言いようがありません。
こうした馬鹿が人を教えるようになると全く悲惨で、まったく根拠もなく免許皆伝などと言いだすようになります。まあ、普通の判断力があればこんな馬鹿を師匠にすることはありませんけどね。
自分の例を出して恐縮ですが、私が受けた英語に関する某テストの結果にあったパーセンタイルの数字と日本の人口から算出すると、私より英語がうまい日本人は12万人いてもおかしくないという事実に気がついて、迂闊なことは言えないなと思ったものです。これは統計学をやらなくたって分かることです。
ということで「おれは英語(スペイン語でもフランス語でも中国語でも良いですが)がうまい」などと言っている人間を見たら、まず疑ってかかるのが良さそうです。外国語の能力の前に、ちゃんとした考え方をしているかも疑わしいからです。
今回の大仮説は「自分で外国語がうまいと宣伝している奴ほど実は下手くそ」です。え、何、そんなの常識だって?いや、実はそうではないかと薄々思っていたのですが、世の中は広いもんで、そうでもないと言うのもいるようで、なかなか証明に手間取っていたんですよ。
人間はもともと自分は偉いと勘違いしやすいものだそうで、例えば外国語について言えば、他人が話したり書いたりするのを見聞きして「おれの方がうまいな」と思ったときは、実は客観的にはあまりレベルは変わらない、あるいは人の方がうまかったりするそうです。
普通の人間はこのような危ないことがあるのを知っているので滅多に自慢などしないものですが、小学生レベルだったらついついやってしまうようです。
外国語を習っているときは特にほめられたりおだてられたりすることが多いのはすでに述べた通りです。これを真に受けて「自分はうまいんだ」などと思うのは馬鹿ですし、人に吹聴するなどというのは輪をかけて馬鹿としか言いようがありません。
こうした馬鹿が人を教えるようになると全く悲惨で、まったく根拠もなく免許皆伝などと言いだすようになります。まあ、普通の判断力があればこんな馬鹿を師匠にすることはありませんけどね。
自分の例を出して恐縮ですが、私が受けた英語に関する某テストの結果にあったパーセンタイルの数字と日本の人口から算出すると、私より英語がうまい日本人は12万人いてもおかしくないという事実に気がついて、迂闊なことは言えないなと思ったものです。これは統計学をやらなくたって分かることです。
ということで「おれは英語(スペイン語でもフランス語でも中国語でも良いですが)がうまい」などと言っている人間を見たら、まず疑ってかかるのが良さそうです。外国語の能力の前に、ちゃんとした考え方をしているかも疑わしいからです。
2010年06月21日
Johnson
英誌 The Economist の新しいブログです。
http://www.economist.com/blogs/johnson?source=hpevents
有名な言語学者で辞書編集者の Samuel Johnson の名前を冠したこのブログは、広い意味での言葉の使い方に関するさまざまな話題を取り上げています。
本年6月7日付けの最初の記事によれば、同名で同じ内容のコラムが1992年から1999年まで毎月掲載されていたとのことです。
http://www.economist.com/node/21007127/2010/06/language
ジャーナリズムの世界は言葉で勝負します。すべての専門家が自分の使う道具の良し悪しに関心を持つように、ジャーナリストは言葉に対して深い関心を持つものです。
程度の低い言葉の使い方に厳しい反面、常に変化している言語の現実をどの程度、表現の中に反映させるべきか悩むことも多いのでしょう。
このブログで取り上げる話題は英語のネイティブユーザー (しかも知的レベルがかなり高い) でないと完全なニュアンスをつかむことは難しいものが多いようです。
それでもこのブログは頑張って読む価値があると思います。言語の使用の最先端で何が起こっているかについて常に関心を持つことは、自分が言葉を使う場合でも大事になるからです。
最近の記事で私が面白いなと思ったのは次の二つです。
Showing his "ass"
http://www.economist.com/blogs/johnson/2010/06/swearing
アメリカの主流の出版界、例えばニューヨーク・タイムズでは、罵り言葉 (swear word) を避ける傾向が強い中で、オバマ大統領がBPの原油流出に対する怒りを示すのに "whose ass to kick" という表現を使ったことについて分析しています。
"Small people", big deal
http://www.economist.com/blogs/johnson/2010/06/corporate_gaffes
たまたまこれもBPに関する話題です。原油を流出させたBPの社長がオバマ大統領との会見のあとの記者会見で "We care about the small people" と言ったことが批判の的となった事件についてです。
この社長はスウェーデン人で英語のネイティブユーザーではありません。この表現が出てしまったのもそのためではないかとも言われています。
記者会見の様子はこの記事にあるビデオでも見られますが、確かに話し方はゆっくりで訛りもかなりあります。記事の中でも、"From his slow and heavily accented English, it's clear that the Swedish Mr Svanberg is not totally fluent in the language." と形容がされています。
私の印象では北欧諸国の人は英語をうまく使いこなす人が多いのですが、それは実際に英語を使うニーズが大きいのとそれに合わせた教育をしているのだからだと思います。スウェーデン語は系統的に英語と近接していますが、フィンランド語はまったく異なるものなので、母語の影響だけではないでしょう。
いずれにしても英語が使用言語である多国籍企業のトップをつとめられる人な訳ですが、それでもこのように微妙な表現の違いが大きな問題となる可能性までは予測できなかったのかもしれません。
同ブログでは同社長の言ったことに対してはいくぶん同情的ですが、一方でBPが「何をするか」(社長が何を言うかではなく)については厳しい見方をしています。
こうした細かい表現のことまで気を配らなければいけないのは大変ですが(その意味で、先日トヨタの社長が米議会の公聴会に出席したとき通訳を使ったのは賢明なことでした)、これも言葉の使用の現実です。もちろん、言っている内容がダメだったらどんなに発音が良くたって相手にしてもらえないのは当然です。
http://www.economist.com/blogs/johnson?source=hpevents
有名な言語学者で辞書編集者の Samuel Johnson の名前を冠したこのブログは、広い意味での言葉の使い方に関するさまざまな話題を取り上げています。
本年6月7日付けの最初の記事によれば、同名で同じ内容のコラムが1992年から1999年まで毎月掲載されていたとのことです。
http://www.economist.com/node/21007127/2010/06/language
ジャーナリズムの世界は言葉で勝負します。すべての専門家が自分の使う道具の良し悪しに関心を持つように、ジャーナリストは言葉に対して深い関心を持つものです。
程度の低い言葉の使い方に厳しい反面、常に変化している言語の現実をどの程度、表現の中に反映させるべきか悩むことも多いのでしょう。
このブログで取り上げる話題は英語のネイティブユーザー (しかも知的レベルがかなり高い) でないと完全なニュアンスをつかむことは難しいものが多いようです。
それでもこのブログは頑張って読む価値があると思います。言語の使用の最先端で何が起こっているかについて常に関心を持つことは、自分が言葉を使う場合でも大事になるからです。
最近の記事で私が面白いなと思ったのは次の二つです。
Showing his "ass"
http://www.economist.com/blogs/johnson/2010/06/swearing
アメリカの主流の出版界、例えばニューヨーク・タイムズでは、罵り言葉 (swear word) を避ける傾向が強い中で、オバマ大統領がBPの原油流出に対する怒りを示すのに "whose ass to kick" という表現を使ったことについて分析しています。
"Small people", big deal
http://www.economist.com/blogs/johnson/2010/06/corporate_gaffes
たまたまこれもBPに関する話題です。原油を流出させたBPの社長がオバマ大統領との会見のあとの記者会見で "We care about the small people" と言ったことが批判の的となった事件についてです。
この社長はスウェーデン人で英語のネイティブユーザーではありません。この表現が出てしまったのもそのためではないかとも言われています。
記者会見の様子はこの記事にあるビデオでも見られますが、確かに話し方はゆっくりで訛りもかなりあります。記事の中でも、"From his slow and heavily accented English, it's clear that the Swedish Mr Svanberg is not totally fluent in the language." と形容がされています。
私の印象では北欧諸国の人は英語をうまく使いこなす人が多いのですが、それは実際に英語を使うニーズが大きいのとそれに合わせた教育をしているのだからだと思います。スウェーデン語は系統的に英語と近接していますが、フィンランド語はまったく異なるものなので、母語の影響だけではないでしょう。
いずれにしても英語が使用言語である多国籍企業のトップをつとめられる人な訳ですが、それでもこのように微妙な表現の違いが大きな問題となる可能性までは予測できなかったのかもしれません。
同ブログでは同社長の言ったことに対してはいくぶん同情的ですが、一方でBPが「何をするか」(社長が何を言うかではなく)については厳しい見方をしています。
こうした細かい表現のことまで気を配らなければいけないのは大変ですが(その意味で、先日トヨタの社長が米議会の公聴会に出席したとき通訳を使ったのは賢明なことでした)、これも言葉の使用の現実です。もちろん、言っている内容がダメだったらどんなに発音が良くたって相手にしてもらえないのは当然です。
2010年05月16日
アメリカ名物大学教授の講義2題
業務の研修で、二人のアメリカの大学教授の講義の紹介がありました。
最初はハーバード大学の政治哲学の教授であるMichael Sandelの 'Justice' です。
http://justiceharvard.org/
これにはコメントも付けられるようになっています。
最近NHK教育テレビで「ハーバード白熱教室」として放送されているので見ている方もいると思います。
http://www.nhk.or.jp/harvard/
「正しいことをする」とはどういうことかというきわめて抽象的、哲学的な問いに対して、過去の著名な哲学者の考え方を引きながら、身近な問題、今日的な課題に対してもそれをどのように考えて適用できるかを示していきます。
ハーバードでも一番人気のあるコースだそうで、講堂のような大きな教室(1000人以上が出席したこともあるそうです)を使いながらも、学生とのインタラクションもうまく使って聴衆を魅了していきます。その技たるや、魔術的と言っても良いくらいです。
話し方は噛んでふくめるようにゆっくりめですが、内容の高度なことを考えればしっかりついていくのはかなり骨の折れることです。
外国語を使う場合、私が一番難しいと思うのは、抽象的な概念をどのように言葉で伝えるかということです。それは言葉の能力を最大限に活用することだからです。もちろん、母語においてもそれなりの訓練をしないとできないことです。外国語が使えるということの最終目的はこのようなことなのです。
もう一人はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の物理学の教授 Walter Lewin です。
http://ocw.mit.edu/OcwWeb/Physics/8-01Physics-IFall1999/VideoLectures/index.htm
こちらは壇上を所狭しと実験などをして見せ、その中で物理学の基本的な考え方を示していきます。雰囲気はカジュアルですが、とても良く計算され、見事にとりおこなわれる実験は学生を引きつけてやみません。
別のビデオにあったインタビューでは教授は授業のリハーサルを3回すると言っていました。舞台の名俳優と同じように準備をしているわけです。
カジュアルな雰囲気を反映して話し方は少し速くなりますが、それでも理解は難しくありません。何よりも教授の物理学への情熱が見てとれ、それが学生にも伝染するようになるのが分かります。いくつかの講義の最後に言う 'Physics works!' はとても印象的です。
驚いたのはアラブ圏のニュースメディアのアルジャジーラが教授にインタビューをしていることです。
http://www.youtube.com/watch?v=bqp54QgYQus
一般的にはアラブ圏はアメリカに対しては好意的な見方をしているとは限りません。それでもこの授業のすばらしさについては称賛しています。これもアメリカの隠れたソフトパワーかもしれません。
二つの異なるジャンル、異なるスタイルの講義ですが、どちらも聴く人を引きつける魅力を持っています。その理由は必ずしも言葉の話し方だけではありませんが、外国語を学ぶ身からすれば、このように人を引き寄せる力を持つ話し方を身につけたいものです。
最初はハーバード大学の政治哲学の教授であるMichael Sandelの 'Justice' です。
http://justiceharvard.org/
これにはコメントも付けられるようになっています。
最近NHK教育テレビで「ハーバード白熱教室」として放送されているので見ている方もいると思います。
http://www.nhk.or.jp/harvard/
「正しいことをする」とはどういうことかというきわめて抽象的、哲学的な問いに対して、過去の著名な哲学者の考え方を引きながら、身近な問題、今日的な課題に対してもそれをどのように考えて適用できるかを示していきます。
ハーバードでも一番人気のあるコースだそうで、講堂のような大きな教室(1000人以上が出席したこともあるそうです)を使いながらも、学生とのインタラクションもうまく使って聴衆を魅了していきます。その技たるや、魔術的と言っても良いくらいです。
話し方は噛んでふくめるようにゆっくりめですが、内容の高度なことを考えればしっかりついていくのはかなり骨の折れることです。
外国語を使う場合、私が一番難しいと思うのは、抽象的な概念をどのように言葉で伝えるかということです。それは言葉の能力を最大限に活用することだからです。もちろん、母語においてもそれなりの訓練をしないとできないことです。外国語が使えるということの最終目的はこのようなことなのです。
もう一人はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の物理学の教授 Walter Lewin です。
http://ocw.mit.edu/OcwWeb/Physics/8-01Physics-IFall1999/VideoLectures/index.htm
こちらは壇上を所狭しと実験などをして見せ、その中で物理学の基本的な考え方を示していきます。雰囲気はカジュアルですが、とても良く計算され、見事にとりおこなわれる実験は学生を引きつけてやみません。
別のビデオにあったインタビューでは教授は授業のリハーサルを3回すると言っていました。舞台の名俳優と同じように準備をしているわけです。
カジュアルな雰囲気を反映して話し方は少し速くなりますが、それでも理解は難しくありません。何よりも教授の物理学への情熱が見てとれ、それが学生にも伝染するようになるのが分かります。いくつかの講義の最後に言う 'Physics works!' はとても印象的です。
驚いたのはアラブ圏のニュースメディアのアルジャジーラが教授にインタビューをしていることです。
http://www.youtube.com/watch?v=bqp54QgYQus
一般的にはアラブ圏はアメリカに対しては好意的な見方をしているとは限りません。それでもこの授業のすばらしさについては称賛しています。これもアメリカの隠れたソフトパワーかもしれません。
二つの異なるジャンル、異なるスタイルの講義ですが、どちらも聴く人を引きつける魅力を持っています。その理由は必ずしも言葉の話し方だけではありませんが、外国語を学ぶ身からすれば、このように人を引き寄せる力を持つ話し方を身につけたいものです。
2010年04月07日
Reputation Management 101
101という数字はどのような意味があるのでしょうか。Googleで101を検索すると「台北101」とか「育毛剤101」とか「101回目のプロポーズ」が出てきます(笑)。
英語の文章、特にアメリカのもので101が出てくると、何かの初歩や入門という意味で使われることがあります。これはアメリカの大学のカリキュラムで「科目名+番号」という名前の付け方をしているところが多く、その場合、入門編には101という番号が使われることが多いからです。このブログで前に紹介したSpanishPod101
http://www.spanishpod101.com/
もそのような意味があります。
ですから、ある事柄について、初歩の知識もない場合には、”Go back to 〜〜 101!”などと言われたりします。例えば、フランス語で、男なのに、”Je suis japonaise.” などといっておかまと間違えられたり、スペイン語の文法が英語のそれと似ているからといって英語の、”He is a student.” にあたるスペイン語が、”Él es un estudiante.”だなどと言う(正しくは、”Él es estudiante.” あるいは、”Es estudiante.”)ことをすると、”Go back to French 101.” とか、”Have you learned Spanish 101?” などと言われることになります。
1時間でもまともに習えば間違えようもないことを間違えてしまい、さらに恥の上塗りで、それを正しいと吹聴して回るようなことをするのは正気の沙汰とは思えませんが、世の中広いですから、そんなことをする者がもしかしたらいるかもしれません。こうした輩は避けるのが一番です。
そうした危険をおかす不安におびえつつも、ここでReputation Management 101と題した文章を書いてみることにしました。Reputation Managementというのは、日本語で言えば風評被害防止といったところでしょうか。現在のように、個人がネットで人物や製品についてあることないこと書いて公表することができるようになると、たとえ嘘のことでもそれが一人歩きすると大きな打撃を受けることになります。
それだけではありません。一見、好意的な意見であっても実はほめ殺しだったりひいきの引き倒しだったりすることがあり、それが露顕したりするとダメージは倍以上になります。このようなことの予防策としては、少なくともこれらの好意的な意見は自分とは全く関係ない者がやっているということを宣言しておくことが大事です。例えば、次のような文章はどうでしょうか。
まあ、このように書いて実際が違っていた場合のダメージはそれこそ取り返しがつきませんので、利用にあたってはご注意を(笑)。
英語の文章、特にアメリカのもので101が出てくると、何かの初歩や入門という意味で使われることがあります。これはアメリカの大学のカリキュラムで「科目名+番号」という名前の付け方をしているところが多く、その場合、入門編には101という番号が使われることが多いからです。このブログで前に紹介したSpanishPod101
http://www.spanishpod101.com/
もそのような意味があります。
ですから、ある事柄について、初歩の知識もない場合には、”Go back to 〜〜 101!”などと言われたりします。例えば、フランス語で、男なのに、”Je suis japonaise.” などといっておかまと間違えられたり、スペイン語の文法が英語のそれと似ているからといって英語の、”He is a student.” にあたるスペイン語が、”Él es un estudiante.”だなどと言う(正しくは、”Él es estudiante.” あるいは、”Es estudiante.”)ことをすると、”Go back to French 101.” とか、”Have you learned Spanish 101?” などと言われることになります。
1時間でもまともに習えば間違えようもないことを間違えてしまい、さらに恥の上塗りで、それを正しいと吹聴して回るようなことをするのは正気の沙汰とは思えませんが、世の中広いですから、そんなことをする者がもしかしたらいるかもしれません。こうした輩は避けるのが一番です。
そうした危険をおかす不安におびえつつも、ここでReputation Management 101と題した文章を書いてみることにしました。Reputation Managementというのは、日本語で言えば風評被害防止といったところでしょうか。現在のように、個人がネットで人物や製品についてあることないこと書いて公表することができるようになると、たとえ嘘のことでもそれが一人歩きすると大きな打撃を受けることになります。
それだけではありません。一見、好意的な意見であっても実はほめ殺しだったりひいきの引き倒しだったりすることがあり、それが露顕したりするとダメージは倍以上になります。このようなことの予防策としては、少なくともこれらの好意的な意見は自分とは全く関係ない者がやっているということを宣言しておくことが大事です。例えば、次のような文章はどうでしょうか。
この製品に関する好意的なレビュー(あるいは、否定的レビューに対するネガティブなコメントや役に立たないという投票、果ては否定的レビューをした者の別のレビューへの役に立たないという投票まで)は、当然のことですが、この製品の関係者やその家族、親兄弟などがやっているものではありません。当方の知らない、したがってコントロールが及ばない者たちが行う行為に関しては当方はまったく関与せず、たとえ、そうしたレビューがサクラやヨイショ、組織票のように見えたとしてもそれはこの製品を愛する人たちの純粋な気持ちのあらわれです。時には行き過ぎのようなことがあるかもしれませんが、それもこの製品に対する愛情のもたらすところでご寛恕ください。
まあ、このように書いて実際が違っていた場合のダメージはそれこそ取り返しがつきませんので、利用にあたってはご注意を(笑)。
Amanpour
CNNのChief International Correspondent (外報部長とでも言うんでしょうか) Christiane Amanpourのサイトです。
http://edition.cnn.com/CNNI/Programs/amanpour/
私も最近まで知らなかったのですが、彼女はこれまで湾岸戦争をはじめ多くの海外報道をしてきているそうです。Wikipediaでの記述(残念ながら日本語はない)
http://en.wikipedia.org/wiki/Christiane_Amanpour
によれば、彼女はイラン系で、それもあってかイランのアフマディネジャド大統領へのインタビューなどもしているようです。
(Wikipediaで私は彼女と同時期に同じ州の大学にいたことが分かったのは驚きでした)
毎日30分の番組はポッドキャストでもみられるので、ダウンロードしてじっくり見ることができます。
内容がきちんと組み立てられていることもさることながら、デリバリーでもめりはりの効いた話し方は英語を勉強するに当たっても役立つものです。
8月からはABCに移籍するようですので、CNNでのアピアランスはあと少しです。ABCでもCNNのようにポッドキャストなどで彼女の報道が見られるようになることを願っています。
http://edition.cnn.com/CNNI/Programs/amanpour/
私も最近まで知らなかったのですが、彼女はこれまで湾岸戦争をはじめ多くの海外報道をしてきているそうです。Wikipediaでの記述(残念ながら日本語はない)
http://en.wikipedia.org/wiki/Christiane_Amanpour
によれば、彼女はイラン系で、それもあってかイランのアフマディネジャド大統領へのインタビューなどもしているようです。
(Wikipediaで私は彼女と同時期に同じ州の大学にいたことが分かったのは驚きでした)
毎日30分の番組はポッドキャストでもみられるので、ダウンロードしてじっくり見ることができます。
内容がきちんと組み立てられていることもさることながら、デリバリーでもめりはりの効いた話し方は英語を勉強するに当たっても役立つものです。
8月からはABCに移籍するようですので、CNNでのアピアランスはあと少しです。ABCでもCNNのようにポッドキャストなどで彼女の報道が見られるようになることを願っています。
2009年10月26日
ネイティブスピーカーは非ネイティブスピーカーをほめる
ネイティブスピーカー(例えば英語のとしましょう)は非ネイティブスピーカーが英語を使うとどのような反応をするでしょうか。
私の経験では圧倒的な割合でほめられます。たとえ発音や言い回しが自分でいま一つかなと思っていても、うまいとかすばらしいとか言ってくれます。これはどうしてでしょう。
立場を逆にしてみればよく分かります。外国人が日本語をしゃべっていたらたとえ少し難があっても、それだけでもほめてあげたいと思いませんか?
あるいはわざわざ相手の間違いを指摘して気まずい思いをしたりするような面倒なことはしたくないからかもしれませんが。
ネイティブスピーカーがあまりほめない場合、その原因はいくつかの可能性があります。
まず最初は、間違っていたらそれを指摘することが義務的である場合です。例えば外国語を教える先生だったら、生徒が間違っていたら(どのように指摘するかやり方はいろいろですが)教えてあげるのは教師としての義務でしょう。それを放置することは自分のやるべきことを放棄していることにほかなりません。もちろん間違いを指摘するには、それがどうしておかしいかをきちんと説明できる能力がないとできません。これは単にネイティブスピーカーであるというだけでは備わらないものです。プロの語学教師というのはこのためにいるのです。
二つ目の可能性は、相手が「いやな奴」でどんなことであってもほめることなど絶対したくないという場合です。まあこのようなことになるのはかわいそうといえばかわいそうですが、人間社会ではよくあることでそれを止めることはできません。
三つ目は、使っている外国語が本当にひどい場合です。つまりどうにもほめようがないということです。ただし、この場合はほめないというよりは相手の言っていることが分からないから、結果としては無視をするということかもしれません。
ネイティブスピーカーはほめないということを言う人の心理を私なりに推測すれば、「めったにほめることをしないネイティブスピーカーが私のことをこんなにほめている。もしかしたら私は語学の天才かも。」ということを他人に吹聴したいのかもしれません。まあ、語学の天才かどうかなんて証明の手段がありませんから、言ったもの勝ちです。
しかし、自分が外国語を修得しようとする場合は、教師のような訓練をしていないネイティブスピーカーは簡単にほめるということを知っておいた方が良いでしょう。そうでないと間違って上達したと思い込む(まあ、うまくなったと信じることは学習のモチベーションの維持には有効かもしれませんが)ことになりかねません。
ネイティブスピーカーは非ネイティブスピーカーをほめないということを言う人は語学の修得がどのようなものであるかについて無知なのです。そして、その原因はおそらく上に掲げたことによるのです。
私の経験では圧倒的な割合でほめられます。たとえ発音や言い回しが自分でいま一つかなと思っていても、うまいとかすばらしいとか言ってくれます。これはどうしてでしょう。
立場を逆にしてみればよく分かります。外国人が日本語をしゃべっていたらたとえ少し難があっても、それだけでもほめてあげたいと思いませんか?
あるいはわざわざ相手の間違いを指摘して気まずい思いをしたりするような面倒なことはしたくないからかもしれませんが。
ネイティブスピーカーがあまりほめない場合、その原因はいくつかの可能性があります。
まず最初は、間違っていたらそれを指摘することが義務的である場合です。例えば外国語を教える先生だったら、生徒が間違っていたら(どのように指摘するかやり方はいろいろですが)教えてあげるのは教師としての義務でしょう。それを放置することは自分のやるべきことを放棄していることにほかなりません。もちろん間違いを指摘するには、それがどうしておかしいかをきちんと説明できる能力がないとできません。これは単にネイティブスピーカーであるというだけでは備わらないものです。プロの語学教師というのはこのためにいるのです。
二つ目の可能性は、相手が「いやな奴」でどんなことであってもほめることなど絶対したくないという場合です。まあこのようなことになるのはかわいそうといえばかわいそうですが、人間社会ではよくあることでそれを止めることはできません。
三つ目は、使っている外国語が本当にひどい場合です。つまりどうにもほめようがないということです。ただし、この場合はほめないというよりは相手の言っていることが分からないから、結果としては無視をするということかもしれません。
ネイティブスピーカーはほめないということを言う人の心理を私なりに推測すれば、「めったにほめることをしないネイティブスピーカーが私のことをこんなにほめている。もしかしたら私は語学の天才かも。」ということを他人に吹聴したいのかもしれません。まあ、語学の天才かどうかなんて証明の手段がありませんから、言ったもの勝ちです。
しかし、自分が外国語を修得しようとする場合は、教師のような訓練をしていないネイティブスピーカーは簡単にほめるということを知っておいた方が良いでしょう。そうでないと間違って上達したと思い込む(まあ、うまくなったと信じることは学習のモチベーションの維持には有効かもしれませんが)ことになりかねません。
ネイティブスピーカーは非ネイティブスピーカーをほめないということを言う人は語学の修得がどのようなものであるかについて無知なのです。そして、その原因はおそらく上に掲げたことによるのです。
ラベル:ネイティブスピーカー
2009年10月06日
Doing business in ...
ロンドン・エコノミスト誌のオーディオで、世界の代表的な都市で仕事をする際の留意点をまとめたものです。
http://audiovideo.economist.com/
(左側にあるAUDIOのタブをクリックして現れたメニューから"Doing business in"をクリックすると各都市のアイコンが出ます。)
ここで出てくるのは世界の代表的な大都市です。大都市の生活はグローバル化でどんどん似てきているのではないかというのが私の仮説なのですが、それでももちろんいろいろな違いがあります。
話しているのはエコノミスト誌の記者や特派員だと思いますが、ジャーナリストらしい観察がなかなか面白いものがありお薦めできます。
たとえば、東京ではクールビズが民間よりは公務員で普及しているとか、ワシントンDCはexpense account(交際費など)で動いている都市であるといったことが述べられています。
普通の日本人が実際にこうした都市で仕事をする機会はそんなに多くないのかもしれませんが、それでも聞いていて興味が湧いてきます。
記者や特派員は書くのが本来の仕事ですから、話すことは例えばアナウンサーなどのような訳にはいかないでしょう。それでも、十分聞きやすい話し方をしています。場所による話し方の違いも当然あります。シドニーでの話し方には訛り(おそらくオーストラリア訛り)がありますので、特徴をつかむ練習のつもりで聞いてみるのも良いかもしれません。
http://audiovideo.economist.com/
(左側にあるAUDIOのタブをクリックして現れたメニューから"Doing business in"をクリックすると各都市のアイコンが出ます。)
ここで出てくるのは世界の代表的な大都市です。大都市の生活はグローバル化でどんどん似てきているのではないかというのが私の仮説なのですが、それでももちろんいろいろな違いがあります。
話しているのはエコノミスト誌の記者や特派員だと思いますが、ジャーナリストらしい観察がなかなか面白いものがありお薦めできます。
たとえば、東京ではクールビズが民間よりは公務員で普及しているとか、ワシントンDCはexpense account(交際費など)で動いている都市であるといったことが述べられています。
普通の日本人が実際にこうした都市で仕事をする機会はそんなに多くないのかもしれませんが、それでも聞いていて興味が湧いてきます。
記者や特派員は書くのが本来の仕事ですから、話すことは例えばアナウンサーなどのような訳にはいかないでしょう。それでも、十分聞きやすい話し方をしています。場所による話し方の違いも当然あります。シドニーでの話し方には訛り(おそらくオーストラリア訛り)がありますので、特徴をつかむ練習のつもりで聞いてみるのも良いかもしれません。
2009年08月30日
UNASURサミット
http://www.eltiempo.com/especialesmultimedia/unasurbariloche/index.html
アルゼンチンのリゾート地バリローチェで開催されていたUNASUR(南米諸国連合)のサミットのビデオです。
最大の議題になったのがコロンビアとアメリカの軍事協力、特に米軍基地をコロンビアに置くことです。見たところ、コロンビアはUNASUR諸国から猛反対を受けていてウリベ大統領は防戦一方のようです。近隣にはチャベス大統領(ベネズエラ)、コレア大統領(エクアドル)、モラレス大統領(ボリビア)といった役者も揃っています。
コロンビアにとっては重要な問題なので、コロンビアのメディアも大変な関心で報道をしています。標記のページはEl Tiempo紙のサイトのビデオで、各国大統領の演説やジャーナリストの解説があります。
こういう論争(しかも首脳レベルでの)がそのまま放送されるというのも驚き(ブラジルのルーラ大統領はこれに文句を言っています)ですが、スペイン語を学ぶという点からするといろいろなしゃべり方のスペイン語が聞けて面白いですね。ルーラ大統領の演説は当然スペイン語への通訳がされていますが、さすがにプロの仕事できれいに聞こえます。
UNASURについては次のような解説があります。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/latinamerica/kikan/csn/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E7%B1%B3%E8%AB%B8%E5%9B%BD%E9%80%A3%E5%90%88
http://es.wikipedia.org/wiki/Uni%C3%B3n_de_Naciones_Suramericanas
アルゼンチンのリゾート地バリローチェで開催されていたUNASUR(南米諸国連合)のサミットのビデオです。
最大の議題になったのがコロンビアとアメリカの軍事協力、特に米軍基地をコロンビアに置くことです。見たところ、コロンビアはUNASUR諸国から猛反対を受けていてウリベ大統領は防戦一方のようです。近隣にはチャベス大統領(ベネズエラ)、コレア大統領(エクアドル)、モラレス大統領(ボリビア)といった役者も揃っています。
コロンビアにとっては重要な問題なので、コロンビアのメディアも大変な関心で報道をしています。標記のページはEl Tiempo紙のサイトのビデオで、各国大統領の演説やジャーナリストの解説があります。
こういう論争(しかも首脳レベルでの)がそのまま放送されるというのも驚き(ブラジルのルーラ大統領はこれに文句を言っています)ですが、スペイン語を学ぶという点からするといろいろなしゃべり方のスペイン語が聞けて面白いですね。ルーラ大統領の演説は当然スペイン語への通訳がされていますが、さすがにプロの仕事できれいに聞こえます。
UNASURについては次のような解説があります。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/latinamerica/kikan/csn/index.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E7%B1%B3%E8%AB%B8%E5%9B%BD%E9%80%A3%E5%90%88
http://es.wikipedia.org/wiki/Uni%C3%B3n_de_Naciones_Suramericanas
2009年07月14日
ft.com/podcast
Wall Street Journalと並ぶ国際的経済新聞Financial Timesのポッドキャストです。
http://podcast.ft.com/
同紙には有名なコラムニストMartin Wolf氏がいて、毎週一回程度コラムを書いています。これらの記事は同氏自身がポッドキャストで読み上げています。
聞いてみるとそんなに早口ではなく、むしろ丁寧に分かりやすい話し方をしています。テレビやラジオなどのメディアと違って、時間の制限が少ないネットメディアだということがあるかもしれませんが、同氏のもともとの話し方の特徴なのかもしれません。
ただし、中身は硬派ですし、現在の世界経済の状況をきちんと理解していないと内容を把握することは難しいでしょう。また、英米社会で常識となっているようなこと、すなわち、英語圏で高等教育を受けてきた人間が知っているようなこと(専門的知識だけでなく、いわゆる一般教養に属するもの)まで分かっていないと、完全なニュアンスまでつかめないかもしれません。
外国語を使えるようになるということは、こうしたものを見たり聞いたりした上で、同じようにしている人たちと同じ土俵にたって議論ができる、ということです。目標としてはとても高いものですが、外国語学習の究極の目的として頭に入れておくと良いでしょう。
http://podcast.ft.com/
同紙には有名なコラムニストMartin Wolf氏がいて、毎週一回程度コラムを書いています。これらの記事は同氏自身がポッドキャストで読み上げています。
聞いてみるとそんなに早口ではなく、むしろ丁寧に分かりやすい話し方をしています。テレビやラジオなどのメディアと違って、時間の制限が少ないネットメディアだということがあるかもしれませんが、同氏のもともとの話し方の特徴なのかもしれません。
ただし、中身は硬派ですし、現在の世界経済の状況をきちんと理解していないと内容を把握することは難しいでしょう。また、英米社会で常識となっているようなこと、すなわち、英語圏で高等教育を受けてきた人間が知っているようなこと(専門的知識だけでなく、いわゆる一般教養に属するもの)まで分かっていないと、完全なニュアンスまでつかめないかもしれません。
外国語を使えるようになるということは、こうしたものを見たり聞いたりした上で、同じようにしている人たちと同じ土俵にたって議論ができる、ということです。目標としてはとても高いものですが、外国語学習の究極の目的として頭に入れておくと良いでしょう。
2009年07月05日
Interagency Language Roundtable
アメリカの政府関係機関で外国語訓練を行っている機関同士が意見交換等を行う組織があります。
http://www.govtilr.org/
構成機関には、このブログでも何回か言及した国務省外交官研修所(Foreign Service Institute, FSI)や国防総省の研究所、平和部隊(Peace Corps)などがあります。
これらの機関は実際に外国語を使って仕事(mission)を遂行するために職員等の研修を実施しています。目的がはっきりしているだけ、中途半端なことは許されません。また、研修も長い時間をかけるわけにはいかないので、最も効率的な方法を常に研究しています。
コンファレンスなどで発表された論文などもあり、外国語訓練に興味がある方には面白いものもあります。
私が読んでなるほどと思ったものに次の論文があります。FSIの方が書いたものです。
http://www.govtilr.org/Publications/TESOL03ReadingFull.htm
ドラフトなので許可なく引用不可となっていますので、詳細な引用は避けますが、大人の学習者が外国語を学ぶ際の重要な論点が述べられています。私は専門家ではないので、書かれていることすべてが正しいか判断する能力はありませんが、自分の経験と照らしてみてもなるほどと思いますし、半世紀以上の実践の積み重ねから得られたものであるので、間違っている可能性はきわめて少ないと思います。
この論文で感心した点は次のようなものです。
1. language proficiency(外国語能力と訳しておきます)を"the ability to use language as a tool to get things done"(物事を処理する道具として言葉を使用する能力)と定義しています。これは妥当ですし、特に大人が外国語を学習する場合は頭に置いておく必要があります。つまり「何のために外国語を学ぶのか」をはっきりしておく必要があるのです。
2. 成熟した大人の学習者は集中的な学習で、ネイティブスピーカーとほぼ同様にプロとしての仕事をできる程度まで上達できるようになる(Lesson 1)、としています。つまり、1.で定義した外国語能力は大人の学習者でも十分達成できるのです。また、ネイティブ・スピーカーの話し方(native accent)を達成することは、たいていの場合、外国語能力の指標とはならない(言っていることが理解できるものかどうかはもちろん重要だが)としています。
3. 学習にかけた時間と集中度は効率的な学習のために必須であるようです(Lesson 4)。外国語学習は短期間ではできません。また、焦点を絞った練習(drill)も必要です。
4. 外国語を読んだり話したりする際、自動的であること(automaticity)が重要である(Lesson 7)としています。この訓練の一つに「パターン・プラクティス」があり、多くの学習者が必要と考えています。また、読解も少し易しめのものを数多くこなすことが必要としています。
その他にも、外国語学習に重要な論点が多く述べられています。一度ご覧になることをおすすめします。長年の経験に裏打ちされた実践的知識の塊で、外国語を学ぶ際の心構えとしても大変役にたつものだと思います。
http://www.govtilr.org/
構成機関には、このブログでも何回か言及した国務省外交官研修所(Foreign Service Institute, FSI)や国防総省の研究所、平和部隊(Peace Corps)などがあります。
これらの機関は実際に外国語を使って仕事(mission)を遂行するために職員等の研修を実施しています。目的がはっきりしているだけ、中途半端なことは許されません。また、研修も長い時間をかけるわけにはいかないので、最も効率的な方法を常に研究しています。
コンファレンスなどで発表された論文などもあり、外国語訓練に興味がある方には面白いものもあります。
私が読んでなるほどと思ったものに次の論文があります。FSIの方が書いたものです。
http://www.govtilr.org/Publications/TESOL03ReadingFull.htm
ドラフトなので許可なく引用不可となっていますので、詳細な引用は避けますが、大人の学習者が外国語を学ぶ際の重要な論点が述べられています。私は専門家ではないので、書かれていることすべてが正しいか判断する能力はありませんが、自分の経験と照らしてみてもなるほどと思いますし、半世紀以上の実践の積み重ねから得られたものであるので、間違っている可能性はきわめて少ないと思います。
この論文で感心した点は次のようなものです。
1. language proficiency(外国語能力と訳しておきます)を"the ability to use language as a tool to get things done"(物事を処理する道具として言葉を使用する能力)と定義しています。これは妥当ですし、特に大人が外国語を学習する場合は頭に置いておく必要があります。つまり「何のために外国語を学ぶのか」をはっきりしておく必要があるのです。
2. 成熟した大人の学習者は集中的な学習で、ネイティブスピーカーとほぼ同様にプロとしての仕事をできる程度まで上達できるようになる(Lesson 1)、としています。つまり、1.で定義した外国語能力は大人の学習者でも十分達成できるのです。また、ネイティブ・スピーカーの話し方(native accent)を達成することは、たいていの場合、外国語能力の指標とはならない(言っていることが理解できるものかどうかはもちろん重要だが)としています。
3. 学習にかけた時間と集中度は効率的な学習のために必須であるようです(Lesson 4)。外国語学習は短期間ではできません。また、焦点を絞った練習(drill)も必要です。
4. 外国語を読んだり話したりする際、自動的であること(automaticity)が重要である(Lesson 7)としています。この訓練の一つに「パターン・プラクティス」があり、多くの学習者が必要と考えています。また、読解も少し易しめのものを数多くこなすことが必要としています。
その他にも、外国語学習に重要な論点が多く述べられています。一度ご覧になることをおすすめします。長年の経験に裏打ちされた実践的知識の塊で、外国語を学ぶ際の心構えとしても大変役にたつものだと思います。
2009年04月29日
InterContinental Hotels & Resorts
世界的なホテルチェーンのInterContinental Hotels & Resortsのサイトです。
http://www.ichotelsgroup.com/intercontinental/en/gb/home?clearQuickRes=true
こんな高級ホテルに泊まることはほとんどないので、このサイトで予約したりすることはないのですが、では何故ここで取り上げているのでしょう。
このサイトには各地のホテルのコンシエルジュが地元の案内をするビデオがあります。コンシエルジュの仕事は、客の要求に応じて食事やエンタテインメントの相談にのり、必要に応じて予約をしたりすることです。ですから地元の知識を持つローカルのスタッフがなることが原則です。
一方でホテルの客は世界中から来ていて、現地の言葉を必ずしも知らない場合もあります。ですから客とコンシエルジュは国際的に通用する言葉でコミュニケーションをとります。多くの場合、英語ということになるでしょう。
このビデオではコンシエルジュが英語で話しています。多くの場合、母語の影響が分かります。訛りと言って良いでしょう。それでも問題はありません。伝えなければならないことが伝わらないというコミュニケーション上の問題になることは少ないからです(そうでなかったらコンシエルジュの仕事はつとまらない)。
日本人が英語を話す場合、相手がネイティブスピーカー以外ということも結構あります(もちろん人により違いはあります)。この場合、相手の訛りの傾向を知っていると役に立ちます。もちろん、母語が同じであっても、相手の英語のレベルや話す内容により違いは出てくるのは当然ですが、どんな風に英語が変化して聞こえるかをあらかじめ知っているとずいぶん気は楽になります。
これから話す相手の母語が分かっているなら、このビデオを見て聞いておくのは良い予習になると思います。まあ、そんなにかたく考えなくても、観光案内としても良くできているので見ていて飽きませんから。
(ビデオの見方)
1. トップページにある"locations"のタブをクリック
2. ホテルの場所が出てくるので希望の場所をクリック
3. "Concierge video tour"が出てくるので"full video"をクリック
http://www.ichotelsgroup.com/intercontinental/en/gb/home?clearQuickRes=true
こんな高級ホテルに泊まることはほとんどないので、このサイトで予約したりすることはないのですが、では何故ここで取り上げているのでしょう。
このサイトには各地のホテルのコンシエルジュが地元の案内をするビデオがあります。コンシエルジュの仕事は、客の要求に応じて食事やエンタテインメントの相談にのり、必要に応じて予約をしたりすることです。ですから地元の知識を持つローカルのスタッフがなることが原則です。
一方でホテルの客は世界中から来ていて、現地の言葉を必ずしも知らない場合もあります。ですから客とコンシエルジュは国際的に通用する言葉でコミュニケーションをとります。多くの場合、英語ということになるでしょう。
このビデオではコンシエルジュが英語で話しています。多くの場合、母語の影響が分かります。訛りと言って良いでしょう。それでも問題はありません。伝えなければならないことが伝わらないというコミュニケーション上の問題になることは少ないからです(そうでなかったらコンシエルジュの仕事はつとまらない)。
日本人が英語を話す場合、相手がネイティブスピーカー以外ということも結構あります(もちろん人により違いはあります)。この場合、相手の訛りの傾向を知っていると役に立ちます。もちろん、母語が同じであっても、相手の英語のレベルや話す内容により違いは出てくるのは当然ですが、どんな風に英語が変化して聞こえるかをあらかじめ知っているとずいぶん気は楽になります。
これから話す相手の母語が分かっているなら、このビデオを見て聞いておくのは良い予習になると思います。まあ、そんなにかたく考えなくても、観光案内としても良くできているので見ていて飽きませんから。
(ビデオの見方)
1. トップページにある"locations"のタブをクリック
2. ホテルの場所が出てくるので希望の場所をクリック
3. "Concierge video tour"が出てくるので"full video"をクリック
2009年03月07日
Paul Harvey
アメリカの伝説的ラジオコメンテーターのポール・ハービーが90歳(!)でなくなりました。
http://www.abcrn.com/harvey/
彼のNews and commentとThe rest of the storyという番組はアメリカではABC系列で放送されていました。日本では在日米軍関係者向けのAFNで聞くことができます。
私がポール・ハービーの番組を聞くようになったのは実は最近です。朝、子供を車で送っていくときにラジオをつけると聞こえてくる特徴的な話し方、よく響く声に興味を持ち、調べてみるとアメリカではほとんど伝説になっている人だと知りました。
内容的には保守系ですが、そんな単純な色分けより、彼の番組にはアメリカの伝統的価値の尊重というのが根底にあったような気がします。
彼の死に対してはブッシュ前大統領をはじめ、さまざまな有名人がコメントをしています。また、アメリカのマスコミでも大きく取り上げられています。ただ、日本ではほとんど知られていないので、新聞などの訃報欄でも見かけませんでした。そういう意味では本当の意味でのAmerican institutionなのかもしれません。アメリカの有名人でもグローバルに知られていないと成り立っていかないというのが今の時代だとすると、ポール・ハービーは古き良き時代のアメリカの象徴なのかもしれません。
ゆったりとアメリカの雰囲気に浸りたいときには彼の声を聞くことをおすすめします。それにしても、死のほんの少し前(私の記憶に間違いがなければ一週間程度前)まで現役でいたというのは大変なことですね。
(追記)ポール・ハービーのことを書いてあるブログを見つけました。
http://www.afnfan.net/archives/2009/03/paul_harvey-passes-away.html#more
というのは私も同感です。
http://www.abcrn.com/harvey/
彼のNews and commentとThe rest of the storyという番組はアメリカではABC系列で放送されていました。日本では在日米軍関係者向けのAFNで聞くことができます。
私がポール・ハービーの番組を聞くようになったのは実は最近です。朝、子供を車で送っていくときにラジオをつけると聞こえてくる特徴的な話し方、よく響く声に興味を持ち、調べてみるとアメリカではほとんど伝説になっている人だと知りました。
内容的には保守系ですが、そんな単純な色分けより、彼の番組にはアメリカの伝統的価値の尊重というのが根底にあったような気がします。
彼の死に対してはブッシュ前大統領をはじめ、さまざまな有名人がコメントをしています。また、アメリカのマスコミでも大きく取り上げられています。ただ、日本ではほとんど知られていないので、新聞などの訃報欄でも見かけませんでした。そういう意味では本当の意味でのAmerican institutionなのかもしれません。アメリカの有名人でもグローバルに知られていないと成り立っていかないというのが今の時代だとすると、ポール・ハービーは古き良き時代のアメリカの象徴なのかもしれません。
ゆったりとアメリカの雰囲気に浸りたいときには彼の声を聞くことをおすすめします。それにしても、死のほんの少し前(私の記憶に間違いがなければ一週間程度前)まで現役でいたというのは大変なことですね。
(追記)ポール・ハービーのことを書いてあるブログを見つけました。
http://www.afnfan.net/archives/2009/03/paul_harvey-passes-away.html#more
もちろん、ポール・ハーヴィー氏に会ったことなんて無いんだが、毎日のようにあの親しみ深い声と特徴のある声を聞いていたら、やっぱり情が湧くというか、なんというか、全くの他人には思えないワケですな。
というのは私も同感です。
ラベル:Paul Harvey AFN
2009年01月06日
出藍の誉れ
外国語を学ぶということ(というより物事を学習するということ全般)は、当然のことですが、最終的な責任は学習者にあります。物事の判断が十分にできない子供なら別ですが、例えば日本で英語を学習し始める中学生なら、もう自分の学習に責任を持たせて良いはずです。
もちろん、学習の過程で道筋をつけてくれるのが教師やコーチで、そのガイダンスの質の良否は学習の効率に影響を及ぼします。ある分野でそれなりのレベルに達した人がそれまでの学習の課程を振り返っている場合、多くの場合、良質のガイダンスを得たことを誇らしさ半分、うれしさ半分に書いてあります。これは何も学習者が自慢をしているわけではありません。こうした質の良いガイダンスを得ることがいかに大事であるかということを、経験を引き合いに述べているのです。
残念ながらこのような経験をされなかった人でも「われ以外みな師」という言葉を考えれば、誰からも学ぶことはあるもので、それができないのは自立した学習ができない人間なのでしょう。
教師やコーチの側から見ると、一番大事なことは「弟子が自分を超える」ことです。「出藍の誉れ」というのは弟子の側から見た言葉なのではなく師匠から見るもので、逆説的に言えば、自分を超える弟子を生み出せなかったら師匠としては失敗なのです。すなわち、自分の属する分野で自分を超える弟子が出なかったら、師匠としてはその分野の発展への貢献はゼロ以下なのです。
学問における師弟関係とはこのように考えるべきでしょう。それをあたかも弟子が追いつけないように師匠がしていると考える(これまでにそのような師弟関係しか持てなかったとすれば気の毒なことですが)なら、180度間違っています。そうした考え方をしている人間は自立した学習者とはなり得ず、ましてや師匠としては一番不適なのです。
もちろん、学習の過程で道筋をつけてくれるのが教師やコーチで、そのガイダンスの質の良否は学習の効率に影響を及ぼします。ある分野でそれなりのレベルに達した人がそれまでの学習の課程を振り返っている場合、多くの場合、良質のガイダンスを得たことを誇らしさ半分、うれしさ半分に書いてあります。これは何も学習者が自慢をしているわけではありません。こうした質の良いガイダンスを得ることがいかに大事であるかということを、経験を引き合いに述べているのです。
残念ながらこのような経験をされなかった人でも「われ以外みな師」という言葉を考えれば、誰からも学ぶことはあるもので、それができないのは自立した学習ができない人間なのでしょう。
教師やコーチの側から見ると、一番大事なことは「弟子が自分を超える」ことです。「出藍の誉れ」というのは弟子の側から見た言葉なのではなく師匠から見るもので、逆説的に言えば、自分を超える弟子を生み出せなかったら師匠としては失敗なのです。すなわち、自分の属する分野で自分を超える弟子が出なかったら、師匠としてはその分野の発展への貢献はゼロ以下なのです。
学問における師弟関係とはこのように考えるべきでしょう。それをあたかも弟子が追いつけないように師匠がしていると考える(これまでにそのような師弟関係しか持てなかったとすれば気の毒なことですが)なら、180度間違っています。そうした考え方をしている人間は自立した学習者とはなり得ず、ましてや師匠としては一番不適なのです。


