2008年12月09日

苦労しているのは日本語話者だけじゃない

外国語を学習するという行為は何も日本語話者が英語を学ぶだけではありません。言語の数がNなら、外国語を学ぶ組み合わせはN*(N-1)だけあります。

このような組み合わせで、難易はどのように決まるのでしょうか。白井恭弘『外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か』(岩波新書)という本を読むと、両言語によりさまざまなようです。

これを具体的に見るには、いろいろな言語の話者が共通した一つの言語を学ぶ際の困難の違いや、反対に共通した一つの言語の話者がいろいろな言語を学ぶ際の困難のパターンが分かると役に立ちます。

外国語を学ぶことは発音だけではありませんが、分かりやすい例として発音について調べたものをネット上でいくつか見つけました。

Ship or Sheep? Third Edition, Likely errors
http://www.cambridge.org/elt/shiporsheep/likelyerrors.htm

これはイギリス英語発音の初級テキストである『Ship or Sheep』という本の関連サイトです。いろいろな言語(25あります)の話者が英語の発音をする場合の問題点の分析をしています。

Non-native pronunciations of English, Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Non-native_pronunciations_of_English

これも同様です。言語の数は10で少なめです。

Anglophone pronunciation of foreign languages, Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Anglophone_pronunciation_of_foreign_languages

こちらは反対に英語話者が他の言語を発音する際の問題点を述べています。

これら全部が妥当であるかどうかを判断することは、私はできません。知識のない言語もたくさんあるからです。

それでも、これらを見ていると、外国語を学習する際の困難の多様性が分かります。また、特に大事だと思うのは、外国語の学習が難しいのは何も日本語話者だけではないという事実です。

そんなこと当然じゃないか、と思ったあなた!健全な判断力の持ち主です。

世にあるトンデモ外国語学習法では「英語ができないのは日本人だけ」といった何の根拠もない脅しをしたり、「欧米言語は発音は同じ(だからヨーロッパ人は英語ができる)」といったこれまたデタラメを言うことが好きなようです。

おそらく自分が話すことが通じなかったことを根拠なしに勝手に日本人全体に広げたり、あるいは自分の無知とコンプレックスからでっち上げた分類にもとづく「理論」に自ら溺れているのでしょう。

事実にもとづく観察は正しい考え方の基本です。外国語学習でも同様です。外国語を学ぶことは複雑なプロセスです。それはここであげたサイトにでているパターンを見るだけで理解できます。そうした現実を無視した「理論」や「メソッド」はすぐに化けの皮がはがれるのです。


ラベル:外国語学習 発音
posted by 杉田伸樹 at 00:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 外国語練習いろいろ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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