2010年05月16日

アメリカ名物大学教授の講義2題

業務の研修で、二人のアメリカの大学教授の講義の紹介がありました。

最初はハーバード大学の政治哲学の教授であるMichael Sandelの 'Justice' です。
http://justiceharvard.org/
これにはコメントも付けられるようになっています。

最近NHK教育テレビで「ハーバード白熱教室」として放送されているので見ている方もいると思います。
http://www.nhk.or.jp/harvard/

「正しいことをする」とはどういうことかというきわめて抽象的、哲学的な問いに対して、過去の著名な哲学者の考え方を引きながら、身近な問題、今日的な課題に対してもそれをどのように考えて適用できるかを示していきます。

ハーバードでも一番人気のあるコースだそうで、講堂のような大きな教室(1000人以上が出席したこともあるそうです)を使いながらも、学生とのインタラクションもうまく使って聴衆を魅了していきます。その技たるや、魔術的と言っても良いくらいです。

話し方は噛んでふくめるようにゆっくりめですが、内容の高度なことを考えればしっかりついていくのはかなり骨の折れることです。

外国語を使う場合、私が一番難しいと思うのは、抽象的な概念をどのように言葉で伝えるかということです。それは言葉の能力を最大限に活用することだからです。もちろん、母語においてもそれなりの訓練をしないとできないことです。外国語が使えるということの最終目的はこのようなことなのです。

もう一人はマサチューセッツ工科大学 (MIT) の物理学の教授 Walter Lewin です。
http://ocw.mit.edu/OcwWeb/Physics/8-01Physics-IFall1999/VideoLectures/index.htm

こちらは壇上を所狭しと実験などをして見せ、その中で物理学の基本的な考え方を示していきます。雰囲気はカジュアルですが、とても良く計算され、見事にとりおこなわれる実験は学生を引きつけてやみません。

別のビデオにあったインタビューでは教授は授業のリハーサルを3回すると言っていました。舞台の名俳優と同じように準備をしているわけです。

カジュアルな雰囲気を反映して話し方は少し速くなりますが、それでも理解は難しくありません。何よりも教授の物理学への情熱が見てとれ、それが学生にも伝染するようになるのが分かります。いくつかの講義の最後に言う 'Physics works!' はとても印象的です。

驚いたのはアラブ圏のニュースメディアのアルジャジーラが教授にインタビューをしていることです。
http://www.youtube.com/watch?v=bqp54QgYQus

一般的にはアラブ圏はアメリカに対しては好意的な見方をしているとは限りません。それでもこの授業のすばらしさについては称賛しています。これもアメリカの隠れたソフトパワーかもしれません。

二つの異なるジャンル、異なるスタイルの講義ですが、どちらも聴く人を引きつける魅力を持っています。その理由は必ずしも言葉の話し方だけではありませんが、外国語を学ぶ身からすれば、このように人を引き寄せる力を持つ話し方を身につけたいものです。
posted by 杉田伸樹 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 役立つサイト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。